設計部通信-17 群馬県災害ボランティア報告
5月11日から3日間、群馬県災害ボランティアの一員として、宮城県石巻市へ行ってきました。
帰ってきて思うことは、行ってよかったという思いです。
たくさんの人に出会い、よい仲間と作業したことはこれからも忘れません。
私が、ボランティアに行こうと思ったのは、被災地の復興のため役に立ちたいという思いもありましたが、
ただ、やってみたいという気持ちだけで応募しました。
現地がどんな状況かもよくわからなくて、準備も大変で、出発の前の日は、荷物が多すぎて、まとまらなくて、
行くのがイヤになりました。
夜の12時を過ぎて、もうひとつバッグを増やし、どうにか荷物をまとめることができました。
そして、出発の日は、新前橋の集合場所に5時半に到着し、雨の中、6時にバスが出発しました。
出発してしばらくして、順番に自己紹介をしました。
ボランティア経験者がたくさんいて、びっくりしました。
そして、那須高原のサービスエリアで休憩し、走り出すと、自衛隊の車両がたくさん走行していました。
被災地に近づくにつれて、道路のつぎはぎが目立ち始めましたが、朝早かったので、午後の作業に備え、
私はバスの中で寝ていました。
仙台を過ぎた頃、進行方向の右側には信じられない風景がありました。
この写真は帰りのバスの中から撮った写真ですが、海が見えないのに、一面に津波で流されきたと思われる、木や車がありました。びっくりして、写真を撮りそこねました。
矢本PAで昼食をとり、石巻専修大学へと向かいます。
高速道路を降りて、進むと、道路は普通だなと思っていると、
瓦礫や車が放置されていて、お店は開いていません。
そして、石巻専修大学に到着し、第1班から引継ぎをしました。
工事部の石田さんが、第1班で活動していて、石田さんのテントをそのまま借りることになっていたので、使い方を教えてもらいました。
引継ぎが終わり、第1班に見送られ、いよいよ、活動場所へ向かいました。
石巻市大街道という場所で、私たちが行った場所は、周りより少し被害が少ない地域のようでしたが、2mくらい津波がきたようです。
1日目の作業場所は民家の裏の排水溝の掃除です。
油や瓦礫が混ざりネバネバした、真っ黒のヘドロです。
かき出して、土のう袋につめました。
この作業をしているとき、5月11日14時46分になり、震災から2ヶ月となりました。
1日目はこれで終了となり、時間も短く、思ったほど重労働でなくて、余裕だなって思っていましたが・・・。
2日目、午前中は民家の床下に流れこんでしまった、ヘドロの掻き出しです。
だんだんつらくなってきましたが、その家の方と楽しく作業をし、最後に石灰を床下に撒き、掃除をして、午前中は作業を終了しました。
昼食をとり、班のメンバーで散歩に行くことになりました。
目的地は、ホビースタイルでも使っている構造用合板である、ネダノンの会社のセイホクに向かって歩きました。
途中には、信じられない風景が、次から次へと目に入ってきました。
ゴミの山とプレハブが流れてきています。
建物が破壊されています。
こちらの住宅は窓ガラスは割れてしまい、家の前には大きな黒い丸い筒のようなものが、流れついています。
こちらの建物には、 「無事」 と書かれています。涙が出ます。
この辺は、水もたまり、手付かずです。
こちらも人の気配はなく、手付かずです。
言葉も出ません。
コンテナも流れてきています。もうすぐセイホクです。
奥に見えるのが、日本製紙の工場とのことですが、紙がたくさん流れてきています。
前の写真の向かいには、肥料屋さんがあり、その肥料の袋も散らばっています。
駅も看板はありますが、跡形がありません。
いよいよ、もうすぐセイホクというところで、お昼休みの終わりの時間が近づき、帰る道のりもあるので、あきらめて帰ることにしました。写真の泥の山の向こうにあったはずです。
帰り道の、駅近くのところです。
踏み切りがあったようですが、線路はありますが、跡形がありません。
道路の脇には土のうの山があちらこちらにあります。
そして、2日目、午後の作業です。
民家の前に山積みにされた、家具やテレビ、ヘドロ、生ゴミ、ふすま、ソファーなどの片付けです。
こちらにも日本製紙から流れてきた、大きな紙の塊が多数混ざっており、水を吸ってかなり重く厄介です。
写真右のブロック塀のある家は、石田さんの班が作業したお家とのことで、
「群馬県の人が20人くらい来て、きれいにしてくれた」
と大変感謝しておりました。
私たちは、あまりの大きなゴミの山に驚き、5人で、一輪車2台で、
ゴミの一時的な置き場に運んでほしいと指示され、とまどいました。
写真は片付け途中で、少し片付いたところですが、この後ゴミの混ざった泥を土のうに詰める作業を張り切ってやりすぎ、体中が痛くなり、体がバラバラになりそうでした。
「無理してはいけない」 と言われていたのですが、 「きれいにしたい」 というみんなの思いが強く、少し無理をしてしまいました。
そして、3日目・・・
班ごとに並び、今日の作業を確認し、各作業現場へ向かいます。
私たちの妙義班は昨日の作業の続きです。
できるところまで片付けてきれいにしようということでしたが、かなり片付き、満足して3日間の作業を終えました。
石巻専修大学に戻ると、次の第3班が到着しておりました。
引継ぎが終わり、最後に記念撮影をしました。
復興は進んでいると思いますが、まだまだ、厳しい状況です。
ボランティアの数も減っていると聞きます。
期間が短く、わずかなことしかできませんでしたが、私たちが行ったことで、
少しでも元気になってくれれば、うれしいです。
永井 千夏
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