設計部通信-87 N様邸気密測定
先日お引渡しになった「ホビースタイル百年の家」の沼田市N様邸。
VOC測定についてご紹介しましたが、VOC測定後、気密測定を行いました。
家の隙間がどれくらいあるかの測定です。
結果を発表するとC値(相当隙間面積) 0.31㎠/㎡です。
この数値は小さい方がよい結果です。
上州百年の家Projectで目指す数値は0.5㎠/㎡です。
一般的な住宅ではよい家で2.0㎠/㎡程度ですのでよい結果になりました。
なぜ、C値にこだわるのか?
隙間からは隙間風が入ってきて冬寒い原因であったり、
「内部結露」という壁の中が結露してしまう原因であったりします。
「内部結露」が起きると壁内部の柱が腐ったりと家の寿命を短くしてしまいます。
「気密」というと密閉された空間で息苦しいのではないのか、
自然の風を感じて暮らしたい!
と考えると思いますが、現代の住宅は昔と違い、
一般的な住宅でも気密の高い住宅になっています。
「高気密・高断熱」でなくても「気密・断熱」住宅なのです。
それで起きた問題が、VOC測定でも出てきた「シックハウス症候群」
今までの隙間がたっぷりある住宅と違い、
断熱材が入り「気密・断熱」住宅になったため換気されなくて、
化学物質が家の中にたまってそれで体の具合が悪くなってしまいました。
それを解決するために建築基準法で義務化された「24時間換気」
「家じゅうの空気を2時間に1回全部取り替えなさい」ということになりました。
そうなると、次の問題は、冬せっかく暖房したのに、
2時間に1回空気を入れ替えると寒い!
あたたかい空気を外に逃がしたくない!
という理由で、換気扇を止めてしまいます。
それを解決するには、
外から新鮮な空気を取り入れても寒くならなければいいということで、
それなら捨てちゃう空気を使って外の空気を暖めてしまおうと考え、
熱交換型換気システムというものを使うことになります。
そうなると、家のそこらじゅうの隙間から寒い空気が侵入しない方がいいに決まっています。
計画された給気口からあたたかい新鮮な空気だけ家にが入ってくればいいのです。
だから、隙間はない方がいいのです。
「ホビースタイル百年の家」で目指すものは「超高気密」住宅です。
それを実現するのは大工さんの高い技術力と
電気、設備、基礎などすべての工事の協力がとても重要です。
最後にたいせつなことです。
「超高気密」住宅が停電になったらどうなるのか?
換気扇が止まってしまったら窒息死するのか?
という問題ですが、窒息死はしません。
一晩くらい止まっても大丈夫です。
すこし空気が汚れるだけです。
朝起きたら少し窓を開けてください。
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